肛門科
- 〔 主な疾患 〕
- 肛門癌、内痔核、外痔核、痔ろう、直腸脱、肛門周囲膿瘍
- 〔 診療内容 〕
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肛門周囲疾患の外科治療を行います。
最近では、痔核を切除しないため、肛門への負担、痛みの少ない注射による痔核の硬化療法も積極的に行っています。
富士見高原病院の外科についてご案内いたします。
当院は下記の学会施設認定を
受けています。
「肛門からの脱出を伴う内痔核」の治療法の一つとして、注射で治すALTA療法があります。具体的には、ジオン注という商品名の注射薬を直接内痔核に注射して、痔に流れ込む血液の量を減らし、痔を硬くし、粘膜に癒着、固定させる治療法です。ダラーンとやわらかくて脱出してきた痔核を、注射の成分で固く小さくするイメージです。内痔核のある直腸粘膜は注射をしても痛みを感じにくい部分ですので、痛みはほとんどありません。また、痔核を切り取る手術とちがって、「傷口が痛む」「傷口が出血する」という症状が少なく短期間の入院で治療できます。ただし、このジオン注射が有効な痔核は、脱出を伴う内痔核です。肛門の外にできる外痔核や切れて痛みを伴う切れ痔(裂肛)には効果はありません。
ジオン注射の有効成分は、硫酸アルミニウムカリウム水和物とタンニン酸というものです。Aluminum Potassium Sulfate Hydrate / Tannic Acidと、有効成分の英名の頭文字をとってALTA(アルタ療法)とも呼ばれます。アレルギーのある方、透析中の方、妊婦、授乳中の方は使用できません。また、手術ではほとんど数年での再発がないのに比べてALTA療法では1割から2割程度の患者さんで再発があります。
具体的な注射の方法ですが、局所麻酔入りのジオン注を用いて外来で治療する医療機関もありますが、当院では下半身麻酔を行い肛門周囲の筋肉を一時的にゆるめ、肛門内をしっかり観察して注射を適切な部位に施行しています。そのため1泊2日程度の入院でおこなっています。内痔核は通常2個から3個程度できることが多いのですがジオン注はひとつの痔核に対して図のように4箇所に分割して投与します。
これは痔核に十分に薬液を浸透させ治療効果を高めるためです。治療の時間は、下半身麻酔が効くのに10分程度かかります。麻酔が十分に効いたことを確認して治療を行います。一箇所の痔核に対して数分程度で終わります。痛みはありませんが、注射中下腹部が重いような感じがでることがありますが、自然に軽快します。全部で30分から1時間程度で終了します。
ジオン注射の効果は、投与後1日ぐらいで痔核に流入する血液量が減り、出血しづらくなります。注射部位が硬くなり硬結になりますが1週間から1ヶ月程度でだんだん引き伸ばされ癒着、固定され痔核が肛門から脱出しなくなります。
ジオン注射の投与後は、数時間で麻酔が切れて歩行可能になります。2時間後から飲水、食事が可能です。翌日、朝にジオン注射部位の診察をおこなって退院となります。また、治療後には、注射した痔核が硬結になり、おしりが一時的にせまくなり、便秘になることがあります。また稀に数日から1週間程度で肛門部の出血、痛みが出現し注射部位の直腸粘膜が潰瘍をつくることあります。そのような症状があれば早めに外来を受診してもらっています。
お仕事への復帰は、「力仕事」「冷え」「長時間の同じ姿勢のデスクワーク、立ち仕事」「過度の飲酒」は、おしりの負担になりますので数日は控えていただきます。通院は、出血や痛みがなければ、退院後2週間ぐらいで一度診察し、その後1ヶ月に診察、最後に3ヶ月後に診察して終了となります。やはり、肛門に負担がかかると痔核は再発します。便秘に注意し過度のアルコール摂取は控えてください。
なお、痔核は長期間放置するとジオン注射では治療できなくなることもあります。そのため、恥ずかしい部分ではありますが、早めに専門の外来受診をおすすめします。どこの医療機関でも、痛みが少なく恥ずかしくないような配慮を十分にして診察をしていますので、ご安心ください。
予約センターでは、初めて診察を受ける方、
再診される方の診察日の予約、
また、診察日の変更、
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受付時間/平日(月~金)8:30~17:00まで
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